新たな道を切り拓く

コロナ禍での事業承継と成長戦略


(有)スマイル

住 所:福岡市早良区城西3丁目21-15
設 立:1994年
資本金:300万円
従業員:5人


2024年2月上旬

事業承継の課題と悩み

アパレル商品のプレス加工、縫製を手掛ける㈲スマイルは創業30年を迎え、事業承継に向けた課題に直面していました。
後継者である坂口 智啓さんは、約20年前に入社して以来、父である現社長の坂口 茂樹さんの右腕として活躍してきました。しかし、コロナ禍の影響で会社の売上が減少。その具体的な解決策が見つからず、今後の事業方針についても一人で悩みを抱え続けていました。
そんな中、智啓さんは商工会議所を訪問。相談を受けた山田経営指導員は、事業承継計画書の作成や今後の事業展開について相談できる場所として、福岡県事業承継・引継ぎ支援センターを紹介しました。

2024年2月上旬

事業承継計画の策定と戦略

センターの傳田エリアコーディネーターは、後継者と現社長の対話を最優先に、専門家(中小企業診断士)を交えた「事業承継計画書」の作成を提案しました。事業承継計画書を作成するにあたり、茂樹さんと智啓さんが対話を重ねることでお互いの理解が深まり、会社が進むべき方向も明確になっていきました。そして、約3ヶ月後の5月に事業承継計画書が完成しました。
事業承継計画書には、①自社単独でできることにこだわらず、仕入れ先や販売先などのステークホルダーの力を借りること、②自社の強みを徹底的に考え、経営資源をその強みに集中させることが盛り込まれました。そして、 2025年の春に事業承継を完了させる目標が設定され、高粗利部門への経営資源移行と、智啓さんによる新製品開発が戦略として設定されました。

現在

後継者の成長と新たな挑戦

智啓さんは、センターから紹介された福岡県の新商品開発支援プログラム「アトツギジャンプ」に採択され、仕事の合間を縫って新商品開発に取り組んでいます。3月には、クラウドファンディングサービス「Makuake」に新製品(高機能素材を使ったアウトドア用のウェア)を出品予定です。また、智啓さんは親戚が経営する長崎のみかん農園にも参画し、「農業とファッションの融合」を図り、若い人にも関心を持ってもらえるような新しい形の農業を模索しています。
智啓さんは、事業承継を通じて、事業の再生と成長を目指し、積極的なチャレンジを続けています。

※資料提供:福岡商工会議所