事業承継はリレー競技のバトンパス
家族間での円滑なコミュニケーションが事業承継を成功へ導く

食事処 ぽん太
住 所:福岡市南区野間1-5-3
設 立:1977年
従業員:2名
2024年2月
創業50周年を控えて
福岡市南区野間四ッ角に店を構える「食事処 ぽん太」。オーナーの大村美千代さん、長男の豊伸さんと長女の武野かおりさんと三人で切り盛りしています。2021年、近所にバーの「朗.朗(ろうろう)」を開業。豊伸さんが21時から「朗.朗」を運営しています。
福岡商工会議所の職員が税務申告の支援を行った際に、まもなく創業50周年を迎える「ぽん太」さんに「事業承継のこと、そろそろ考えておいた方が良いですよ」とアドバイス。アドバイスを受けた後継者の豊伸さんは、早速「福岡県事業承継・引継ぎ支援センター」に問い合わせをしました。
2024年3月
「事業承継計画書」で課題と対策を明確に
センターのコーディネーターは、決算書をもとに現在の経営状況と課題を分析。また、事業承継に向けて目標と実施期間を可視化できる「事業承継計画書」の作成を勧めました。「漠然としている将来のことを家族で話し合いができる」ことにメリットを感じた美千代さん・豊伸さんは、まず家族全員で「事業承継計画書」の作成に取り組むことにしました。
専門家との面談を重ねていく中で、①両店舗の顧客層の拡大、②調理を担える人材の育成などの課題が浮き彫りになりました。その解決に向けて、①「朗.朗」をフックにして若年層顧客にも「ぽん太」に来店してもらう、 ②調理士専門学校との連携等が提案されました。その実現方法について、家族間で活発な意見交換が行われ、「事業承継計画書」に今後のアクションを盛り込んでいきました。
2024年4月

「朗.朗」の店内
これからも家族で力を合わせて
創業50周年の2027年1月をゴールとする「事業承継計画書」が完成。経営は長男の豊伸さんが担い、経理面を妹のかおりさんが担当。承継後も美千代さんは顧問として二人をサポートしていきます。
事業承継とは「経営者と後継者がリレー競技のバトンパスのようにトップスピードで走りながら経営を引き継いでいくこと」です。そのためにも、関係者が当事者意識を持ち、実現に向けて真摯に取り組む姿勢が大切です。専門家を交えながら複数回にわたって丁寧に話し合い、全員が納得できる計画を作った大村家族。これからも力を合わせて計画的に事業承継に取り組み、お店を繁盛させていきます。
※資料提供:福岡商工会議所







